弁護士ノート

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専門委員の選任方法

2020.01.14 弁護士:河部 康弘 特許法 知的財産訴訟

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

今回は、前回話題にした専門委員の選ばれ方について。
専門委員は、裁判所の専門委員候補リストの中から複数人の候補が選ばれ(事件によって、技術説明会に出席する専門委員の数にもばらつきがあります。)、専門委員候補について何か意見があるか原告被告双方に確認がなされた上で最終的には裁判所が決定するという流れで決定されます。
この「意見」ですが、基本的には、原告・被告のそれぞれが候補者の中から当該事件を担当するのは適切ではない専門委員を指摘し、その理由を上申する作業になります。
裁判所は技術分野に応じた専門家をリストから選ぶだけであり、専門委員の過去の経歴を全て調べているわけではありません。意外と多いのが、専門委員が相手方企業の関係者であるパターンです。こういった場合、当事者側で上申書を提出してその専門委員が事件を担当するのが適切でないことを知らせる必要があります。
もっとも、ある技術者の方が以前にどこの企業にお勤めであったかといった個人情報は、Google検索では発見できないことも多いです。
そこで威力を発揮するのが、J-PlatPatです。専門委員の先生方は技術の専門家だけあって、過去に特許の発明者になっていることが非常に多く、そこから以前にどこに勤めていたかが割り出せます。

(河部)

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