弁護士ノート

lawyer notes

ぼったくりキャバクラ

2015.06.16 弁護士:河部 康弘 一般企業法務

1 知財だけではありません

こんにちは、河部です。今回は、弊所で扱う法律問題が、特許案件や商標案件に限られないというところをお伝えしたいと思います。

だいぶ前になりますが、私がPodcastで聴いているラジオ番組の中で、ぼったくりキャバクラの問題が取り上げられ、弁護士の先生も出演していました。ぼったくりキャバクラで支払いを拒否したらお店で強制的に労働させられたというような事件が、ぼったくり店をテーマとした理由だったと思います。

2 夜の歌舞伎町交番前…

私も一度だけ、この手の事案を経験したことがあります。交番前に行っても、警察は民事不介入を盾に動いてくれません。無理矢理帰ってしまえば形式的には無銭飲食、その形式を守るため店側はそれなりの金額を提示しない限り金銭を受け取ろうとしませんし、お客さん側の氏名・住所やら勤務先やらを知らなければこちらは泣き寝入りになるから帰せない(お客さん側からすれば、怖いですよね…)等々と粘ってきます。

かなりの時間を使い、交渉をするというよりは調停人として両者の間に入るような形をとって、半額程度の金額を支払うことで合意しました(ある程度支払うのも仕方ないなという事情もあったので。)。

3 真の解決策

私のような解決方法が正しかったのかは分かりませんし、ラジオに出演していた先生も、この手の事案について最良の解決方法が何なのかは分からないとおっしゃっていました。

ぼったくり店が無銭飲食云々で警察を使うことも考え難く、連絡先を置いて強引に振り切るというのも手なのでしょうが、振り切り方を間違えて暴行云々の問題に発展する可能性も否定できませんし、お客さん側からすれば金銭自体より問題を引きずったままでいることの心理的な負担の方が辛いのではないかと思います。

実際に行ってみれば分かることですが、深夜の歌舞伎町交番前は、ぼったくり店対お客さんの攻防であふれています。本当は立法なり行政なりで対策すべきなのでしょうが、確実な対処法が見つかっていない現在のところ、安易にキャッチについていかないというのが個人にできる最大の防衛策でしょうか。

歌舞伎町の猥雑な感じは魅力的ではありますが(私も歌舞伎町ど真ん中の新宿FACEでちょこちょこ格闘技の試合を観戦し、その後飲みに行ったりしています。)、皆様、くれぐれもお気をつけて。
(河部)

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