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1 特許権侵害訴訟の数は意外と少ない
皆様こんにちは、河部です。今回は、特許権侵害訴訟の件数について、お話したいと思います。
特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書によると、近年の特許権侵害訴訟の件数は、年間200件程度で推移しているとのことです。
平成25年度の司法統計によれば、民事の通常訴訟の件数は14万7390件ということですから、非常に少ないことが分かります。
2 侵害訴訟経験弁護士は少ない
件数自体が年間200件程度しかないのですから、準備書面等の第1案作成を経験できる弁護士(以下「起案担当」といいます。)は、毎年延べ人数で200人しかいないということになります。実際には1人の弁護士で複数事件の起案を担当することが多く、起案担当として特許権侵害訴訟の経験値を積み上げられるのは、本当に限られた人数になります。
3 小林・弓削田法律事務所の経験値
昨年度に小林・弓削田法律事務所が新たに受任した特許権侵害訴訟の件数は、16件。これは、年間約200件のうちの、8%に該当します。弊所における起案担当者は私を含めて2名ですから、この1年だけでも、わずか2人で1年に起こる特許権侵害訴訟の8%分の起案経験を積んでいるということになります(アソシエイトの立場としては、弊所は知財訴訟の経験を積むには相当いい事務所だと思っています。)。
訴訟経験の豊富さについては、現在、4つの東京地裁知的財産部のうち、小林弁護士は4つ全て、弓削田弁護士と私も3つの部で特許権侵害訴訟を担当していることからもご理解いただけるかと思います。
弁護士4名の小規模な事務所であることから、不安に感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、訴訟は事務所の規模で行うものではありません。個々の弁護士の経験値については、このように客観的な数値から問題ないとお考えいただけるのではないでしょうか。 (河部)