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今回は、集合修習・二回試験について紹介します。二回試験を終えると、司法修習の内容は全て終了です!
1 集合修習
(1)概要
集合修習は、期間にして1か月半程度あり、模擬裁判等の講義や即日起案、その講評が行われます。
即日起案は、二回試験に近い形で、朝から夕方まで一日かけて起案を行い、また、その講評にもかなり時間がかかるので、集合修習は起案が中心になります。
ちなみに、通常は、和光の司法研修所で行われることになっていますが、74期は、各修習地で修習を受けることとなり、講義は自宅でオンライン開催、即日起案は各修習地の裁判所や検察庁の部屋を借りて行われました。
(2)集合修習は起案の練習中心
集合修習は、基本的には二回試験に向けて起案を学ぶ機会という位置づけです。
これまでの修習でも起案を学ぶ機会自体はありますが、集合修習ほど具体的に学べる機会はそうありません。
特に弁護士志望の修習生は、集合修習開始時点でほとんど起案の書き方を学ばずにきている人も少なくないため、この期間の勉強次第で二回試験の合否が決まるといっても過言ではない、非常に重要な期間です。
(3)集合修習中の生活
74期はオンライン講義だったため、平日の日中は大体自宅で講義を受けるか、裁判所等で起案をするかという生活でした。
個人的な感想ですが、二回試験の起案の勉強というのは、司法試験と異なり、そこまで時間がかかるようなものではないので、疲れはするものの、集合修習期間はさほど忙しくないです。
私は、修習時間外は、修習生と遊んだり、スノボに行ったり、漫画を読んだりして過ごしていました。
2 二回試験とその後
(1)概要
二回試験は、間に土日を挟んで5日間、それぞれ朝から夕方まで昼休みも含むと7時間半程度かけて行われます。
試験時間は長いですが、記録の量もかなり多く、科目によっては時間が足りない場合もあります。もっとも、修習生は起案が終われば途中退出することもできるため、ある意味試験監督の方が大変な試験かもしれません。
(2)二回試験の特徴
二回試験は、大きなミスをしない限り落ちない試験と言われており、また、記憶というよりも考え方や書き方が重要な試験です。
そのため、試験本番の大変さの割には、長い勉強時間が必要というわけでもなければ、合格した時の達成感や感動もさほどないという奇妙な試験となっています。
(3)二回試験のその後
二回試験が終わってしばらくは修習生の身分が続くものの、弁護士になる場合は弁護士会の一斉登録日まで、試験も講義も何もない期間が続きます。
この期間自体そこまで長いわけではないですが、人生最後の夏休みともいえるこの期間は、修習生にとってとても貴重です。
私は、修習地の周りの都道府県まで旅行したり、引っ越しの準備をしたりとそれなりに楽しくも忙しく生活していました。
3 最後に
集合修習まで来ると、修習にも終わりが見えてきて、二回試験が終わると、いよいよ修習が終わるのだと実感します。
多くの修習生は、修習地にそのまま就職せず、修習が終わると修習地から離れることになりますし、修習地に残るとしても周りの修習生はほとんど各地に移ってしまい、裁判官や検察官も数年で変わってしまいます。
もちろん修習が終われば修習中の人間関係まで終わりというわけではないですが、修習は、人生で1年限りの環境なので、未来の修習生が可能な限り後悔のない修習を送れることを祈って、この連載の結びとさせていただきます。
平塚 健士朗