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現在の導入修習では、どのようなことが行われているのか。
今回は、74期導入修習(完全オンラインでした!)の内容とその間の生活について、紹介したいと思います。
1 導入修習は割と忙しい
導入修習では、それまで司法試験に向けて法律論中心の勉強をしてきたところから、急に訴訟の手続きや書面の書き方などいわゆる実務的な勉強をすることになります。
わからないことも多く、修習時間が終わっても予習に時間がかかるので、割と忙しい日々が始まります。
⑴ 講義形式で朝から夕方までほぼ毎日行われる!
導入修習は、60人程度を一クラスにして、およそ10時から17時まで、昼休みや休憩を挟みつつ講義形式で行われます。私は、朝が弱いので、朝起きてすぐそのまま講義に出られるのは、オンライン修習のよさだったと思います。
ちなみに、服装は、初めの頃こそスーツやワイシャツで参加している人もいましたが、徐々にTシャツやパーカーなど普段着で参加している人がほとんどになっていました。
こういった特徴からすると、高校の授業をイメージしてもらえれば、導入修習の感じがなんとなくわかってもらえるかもしれません(私の高校は制服でしたが。)。
⑵ 司法試験までの勉強とは全然違う!
講義内容は、具体的な事例に沿って、手続きの流れや書面の書き方を解説するものがほとんどでした。
細かい訴訟の手続きなどは、手続き単体で説明されても何が何だかわかりにくいところなので、具体的な事例と一緒に説明されることでわかりやすいと感じた記憶があります。
書面の書き方については、そもそもどのような体裁で書けばよいのかということから学びます。ただ、特に最初は、「事実認定」にかなり戸惑うことになると思います。私も慣れるまでかなり苦労しました。
修習中お世話になった裁判官曰く、「事実認定は、何も特別なことをしているわけではない。あたり前に考えればいい。」そうですが、私は未だその境地には達しておりません。
もっとも、考えすぎてよくわからなくなった時には、この言葉を思い出すと、思考が整理されるような気がするので、よくわからなくなった人にはおすすめです。
⑶ “導入”だけど結構大事!
導入修習というだけあって、その後の修習の予習的な位置づけだと思いますが、最後の集合修習や二回試験を考えると、結構大事な修習です。
というのも、ここで教えてもらったことは、集合修習や二回試験でも出題されることが多いからです。なかなか導入修習中に理解することは難しいですが、メモやレジュメをとっておくと、後々役に立ちます。
2 導入修習時間外の生活
私は、導入修習中、休みの日は、修習地をぶらぶら散歩していました。初めての土地だったので、新しい発見がたくさんあり、とても楽しかったです。同じ日本でも、街並み、人柄、生活などなど、都道府県や地域ごとに、かなり違いがあるのだと感じました。
修習ほど時間に余裕がある期間は、この後なかなかないので、特に、今まであまり行ったことのない土地が修習地の人は、いろいろ歩いてみるというのも、一つの経験としておすすめです。
もっとも、オンライン修習だったこともあり、知り合いが一人もいない中で、1ヶ月弱初めての土地で過ごすのは少し寂しい気持ちもありました。
76期からは、遂に和光での導入修習が解禁されるということで、対面講義ゆえの大変さもあると思いますが、最初から同じ修習生と遊ぶ機会があるのは羨ましい限りです。
特に、実務修習中は、他の修習地の人と関わる機会はほぼないので、導入修習でいろんな修習地の人と関わる機会があることは、大変羨ましいです。
以上、今回は、導入修習とその間の生活について紹介しました。次回は、民事裁判修習について紹介しようと思います。
(平塚)