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1 改正法施行は平成29年5月30日から
改正個人情報保護法の具体的な施行日は、最近まで決まっていなかったのですが、平成28年12月20日の閣議決定により、改正個人情報保護法の全面施行日が平成29年5月30日からとなりました。
なお、オプトアウトによる第三者提供(改正法23条2項)を行うには、個人情報保護委員会へ届け出ることが必要となり、この届出は、改正法施行前でも可能であることは、以前のブログでもご紹介したとおりですが、この改正法施行前の届出は、平成29年3月1日から可能となりました。
2 改正前の適用除外
改正法の施行に伴い、大きく影響を受けるのが、「小規模事業者」です。
改正前個人情報保護法では、その事業の用に供する個人情報データベース等(紙媒体、電子媒体を問わず、特定の個人情報を検索できるように体系的に構成したもの)を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数の合計が過去6か月以内のいずれの日においても5000を超えない者は、いわゆる「小規模事業者」として、個人情報保護法の適用対象外とされていました(法2条3項5号、政令2条柱書)。
これは、保有する個人情報が少ない事業者は、通常事業規模も小さく、個人情報保護法の要求する個人情報管理を要求するのは酷であるという趣旨でした。
3 改正後は小規模事業者でも個人情報管理に注意が必要
しかし、企業による個人情報の漏洩問題が大きく報道され、インターネット等の急速な普及により、取り扱う個人情報の数が少なくても個人の権利を侵害する危険性は変わらないことが明らかとなり、上記の適用対象外要件は撤廃されました。
平成29年5月30日以降個人情報を取り扱う企業様は、その取り扱う個人情報の数に拘わらず、個人情報管理に気を遣う必要があります。
(河部、神田)