弁護士ノート

lawyer notes

『類型別会社訴訟』

2016.01.25 弁護士:河部 康弘 経営権争奪紛争・会社関係訴訟

 知財訴訟ほどの数ではありませんが、弊所では、東京地裁ですと民事第8部(商事部)が担当する商事関係訴訟(会社法関係訴訟)を手掛けることが意外と多いです。

 そんなときに役に立つのが、『類型別会社訴訟Ⅰ』と『類型別会社訴訟Ⅱ』(いずれも東京地方裁判所商事研究会編)。

 単純に会社訴訟を担当するときに参照する良書というだけでなく、「東京地方裁判所商事研究会名義で書いている書籍である以上、東京地裁の商事部ではこの書籍の内容に沿った判断をするのだろう。」という信頼感から、準備書面中にその内容を引用することも多いです。もちろん、東京地裁の専門部は取扱件数の多さもあり、専門分野において他の裁判所を事実上リードしていますから、他の裁判所の商事案件でも、準備書面においてこの2冊の内容を引用することは多いです。

 細かい部分ですが有り難いのが、「訴状審査項目」という項目です(「訴状審査」という記載からすれば、裁判所が実際に訴状を審査する裁判所書記官のチェック用に作成したものと思われます。)。原告・被告になれるのは誰か、管轄はどこか、添付書類としてどういった資料が必要なのかなど、訴状提出直前の形式チェックにも役立ちます。           

                                   (河部)

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