知的財産・IT

INTELLECTUAL PROPERTY AND IT

圧倒的な質と量を持つ
知的財産の専門家として
知的財産権紛争に対応します

知的財産訴訟

プロフェッショナルから信頼される、知財訴訟弁護士として

小林・弓削田法律事務所では、知的財産関連業務の中でも、知財弁護士の伝統的な業務である知的財産法分野の紛争解決、とりわけ知財訴訟を得意分野としております。

知財訴訟といえども、その審理に携わる裁判官は、キャリアの多くを一般民事訴訟の担当裁判官として過ごします。したがって、より効果的な主張立証をするためには、裁判官と同じ司法修習という育成課程を経て、要件事実や事実認定といった民事訴訟の担当裁判官に特有の思考回路を有している弁護士の力が必要です。
その一方で、知財訴訟は、知的財産法という特殊領域の実務能力が問われます。すなわち、一般民事訴訟と比較して、知財訴訟では、代理人が知財訴訟に精通していることを前提として審理が進められ、知財訴訟に特有の訴訟進行について説明がなされることはなく、他の訴訟類型と異なり、代理人の能力不足・知識不足を裁判所が補うことはまずあり得ません。そのため、知財訴訟を手掛ける代理人は、単に一般民事訴訟に精通しているのみならず、知財訴訟実務に精通している必要があります。

この点について言えば、東京地方裁判所では、専門性の高い知財訴訟を民事第29部、民事第40部、民事第46部、民事第47部の4つの知的財産部だけが審理し、知財訴訟の控訴審や審決取消訴訟は知的財産高等裁判所の4つの部だけが審理していますが、近年では、弊所所属弁護士が担当する事件がこれら8つの部全てに係属する状況が続いています。このことからも、小林・弓削田法律事務所が知財訴訟について豊富な経験を有していることがお分かりいただけるかと存じます。
また、知財訴訟の中でも地方裁判所の案件に関しては、ほぼ全件を裁判長が主導する運用となっていますが、弊所では全ての知的財産部での審理経験があるため、裁判長の訴訟進行の傾向に応じた、きめ細やかな対応が実現できています。

特許法

技術的意義を効果的に、説得的に法的主張に整理する

小林・弓削田法律事務所では、対象特許に最も精通している弁理士の先生との共同受任によって特許関係の紛争に対応しています。

特許関係訴訟を審理する裁判官の多くは、文系出身ですので、理系知識が豊富であることが、逆に裁判官の「分からない」が「分からない」という状況を生みかねません。小林・弓削田法律事務所の弁護士は、必ずしもその分野の専門家でないが故に、自らの言葉に落とし込むまで企業の技術者・担当の弁理士から徹底的に事情を聴取し、技術の専門家ではない裁判官に技術内容を伝える努力を怠りません。

また、裁判官は、技術者としての目ではなく、法的・要件事実的な思考で構成要件を解釈し、進歩性を判断します。技術に造詣が深いほど、技術的意義を生身の事実として語り、自らの意見に否定的な判決に対し「技術的には・・・」と語りがちですが、判断をするのはあくまで法的に判断を下す裁判所です。少しでも自らに有利に訴訟を進めるには、法的な思考、特に要件事実的な思考をもって、当該事実を適切な箇所に振り分けて主張する能力は必須です。

小林・弓削田法律事務所に所属する弁護士は、一人当たりの特許訴訟件数が多いという特長を活かし、技術的主張を法的・要件事実的に整理し、如何に分かりやすく裁判所に伝えるかという技術につき、日々研鑽を積んでいます。
さらに、弊所では特許ライセンス契約、共同研究開発契約、職務発明規程の作成などの契約関連に加えて、特許庁審査官出身の弁護士を迎えるなどして、先行技術調査など、技術色の強い分野についても対応できる体制を整えています。

商標法

専門性の高い繊細な訴訟対応を

商標法関連訴訟は、技術が問題になる特許法と比較して、知財を専門としない弁護士でも容易に対応できる分野であると誤解されがちですが、実際の裁判を見ていると、被告標章の特定など、相手方の代理人弁護士が知財弁護士からすれば基礎的な部分でつまずいているケースが少なくありません。

しかし、知的財産部の裁判官は、代理人が知財分野の専門家であることを当然の前提とし、他の民事部の裁判官と比較して代理人の訴訟活動を厳しい目で見る傾向にあります。裁判官の訴訟指揮に沿わず訴訟を遅延させてしまうような訴訟活動をすれば、その心証に大きな影響を与えかねません。

小林・弓削田法律事務所では、これまでに多数の商標法関連訴訟を受任しており、商標法関連訴訟の進行を熟知しているため、訴訟を円滑に進めることができます。

商標権侵害訴訟、知財高裁での審決取消訴訟、特許庁での無効審判、不使用取消審判対応に加えて、模倣品対策、商標ライセンス契約、商標権譲渡契約など商標が関連する業務を広く行っております。

その実績は、小林幸夫弁護士が商標の審決取消訴訟に関し毎年日本商標協会の講師に指名され、また、小林幸夫弁護士・弓削田博弁護士の両名が商標法の専門書籍の執筆を行うなど、様々な方面から評価されています。

意匠法

デザインを適切な言葉で伝え、裁判官を説得する

意匠法は、不正競争防止法2条1項3号と並んで工業製品のデザインを保護する法律であり、特許庁への登録が条件となりますが、商品のデザインに関する意匠登録出願日から25年間にわたって保護することができます。

訴訟における主張は言葉によってしなければならず、デザインに関する法律である意匠法の分野においては、デザインの形態を言語化するために独特の表現方法が用いられ、意匠法案件を扱う弁護士には、この点について高度の技量が要求されます。

また、商標法と同様、類似している・類似していないという多分に感覚的な問題が争点になるため、視覚的な効果を狙う、数値化するなど、他の分野にはない(多くの弁護士が経験しない)方法で裁判官を説得する必要があります。

我が国の意匠権を巡る紛争案件は、特許法、その他の知的財産法についての紛争案件と比較しても非常に少ないですが、小林・弓削田法律事務所の所属弁護士は、意匠法案件についても、十分な経験を有しています。

紛争案件以外でも、関連意匠・部分意匠の出願、出願の際の注意点などについて、意匠権侵害訴訟を実際に代理した経験を踏まえた実践的なコンサルティング、また、国内外のデザイン事務所とのデザイン制作委託契約、秘密保持契約などデザインに関連する各種契約の作成も行っています。

不正競争防止法

案件対応の経験に基づく緻密な立証で不競法を武器にする

不正競争防止法は、商習慣からしてあまりに不当であると考えられる行為の類型をリストアップして不法行為とみなすものであり、一つの法律に様々な要素が盛り込まれています。

よく利用されるのが、①周知・著名な商品等表示について特許庁での登録がなくても保護をする2条1項1号・2号、②商品の形態について販売開始から3年に限って模倣を許さない2条1項3号、③特定の条件を備えた営業秘密を保護する2条1項410号、④虚偽の事実を告知して他社の営業上の信用を害する行為を禁止する2条1項21号です。

①は商標権を取得していなかった場合の代替手段として、②は意匠権を取得していなかった場合の代替手段として機能するため、出願をしていなくても、商品を真似されたケースでは、検討する余地があります。

また、近年では③の営業秘密について、日本企業の従業員が営業秘密を持ち出して外国企業に売却してしまい、当該従業員に刑事罰が科され、営業秘密の持ち出しを持ち掛けた外国企業に対し巨額の損害賠償金が認められるケースがニュース等で話題になっています。

さらに、④は、知的財産権の侵害訴訟を提起する際に、他社が知的財産を侵害していると断定したプレスリリースをしてしまい、最終的に敗訴してしまったために相手方企業から虚偽事実の告知で逆に訴えられてしまうケースが散見されます。

このように、不正競争防止法が規律する問題は多岐にわたり、上記①~④のケースに限っても、それぞれについて紛争案件に携わった経験のある弁護士は少ないと思われます。また、権利行使に登録が不要な分、不正競争行為については緻密に立証していく必要があります。小林・弓削田法律事務所の所属弁護士は、上記のような案件のいずれについても十分な経験を有しています。

Art Law

Art Lawの確立を目指して活動する弁護士がサポート

Art Lawは、美術業界にフォーカスし、様々な法律を横断的にカバーして、美術業界のプレイヤーにとって使いやすいように編集した法分野のことを指します。欧米では歴史がある分野ですが、日本ではArt Lawという分野自体が確立されておりません。

小林・弓削田法律事務所では、木村剛大弁護士が長年Art Lawに注力しており、アーティスト、アートギャラリー、アート系スタートアップ、キュレーター、アートコンサルタント、コレクター、パブリックアート・コンサルタント会社、アートメディア、アートプロジェクトに関わる各種企業にアドバイスを提供しています。

欧米ではArt Lawに関連する裁判例や文献が豊富にあるため、英語情報も含めた情報収集を行っており、契約書の作成の際も、海外の契約を参考にしながら、日本の実務や慣習やクライアントの要望に合わせてカスタマイズした契約書を作成することが可能です。

また、注目を集めているNFT(Non Fungible Token、非代替性トークン)についてもNFT利用に関するルールのドラフティング、NFTプラットフォームの利用規約作成、レビューのご相談に対応しております。

NFTに関する記事もメディアに寄稿していますので、ぜひご覧ください。

・「アーティストたちによるNFTアートにおけるルール設計の試み」美術手帖(2021年12月号)特集「NFTアート」ってなんなんだ?!112頁(2021年11月6日)
・「フィジカルアートとの比較から考えるNFTアートの特徴と法律的課題」美術手帖(2021年12月号)特集「NFTアート」ってなんなんだ?!86頁(2021年11月6日)
「シリーズ:アートと法の基礎知識–NFTの産物。アーティストたちによるクリエイティブなルール設計の試み」ウェブ版美術手帖(2021年7月31日)
「注目を集めるNFTアート。新たなマーケットに求められるルールの明確化」ウェブ版美術手帖(2021年5月3日)
「NFTアートで芸術家は自由を手にした?アーティストと弁護士が語る、アート業界の天変地異。」BRUTUS (ブルータス)No.941(2021年7月1日号)108-109頁

法律の枠組みだけではなく、美術史の文脈も考慮した上でのアドバイスを目指しております。

エンターテインメント法

知的財産を核としながら業界に最適化したアドバイスを

音楽、映画/映像、ゲームなどのエンターテインメント分野においても、小林・弓削田法律事務所は継続的にアドバイスを提供しております。

以下は、対応案件の一例となります。

音楽:音楽配信事業者との配信契約、アーティストグッズの商品化契約、アーティストのイベント出演契約、広告取引契約、各種イベントの協賛契約、海外プロデューサーとのプロデュース契約、キャンペーンに関する景品表示法関連アドバイス、音源利用に関連する紛争案件対応

映画/映像:Amazon、Netflix、Huluといった大手事業者との契約、海外企業への映像コンテンツのライセンス、製作委員会方式での映画共同製作契約、映像制作に関連する紛争案件対応

ゲーム:ゲーム化許諾契約、素材ライセンス契約、パブリッシャー契約、ゲーム化前の特許調査、下請会社(制作会社)又は発注会社との仕様や報酬を巡る紛争案件対応

エンターテインメント分野では、テクノロジーの発展に伴い、ビジネスモデル自体が変化し続けており、日々新たな法律問題が発生している状況にあります。

このような新たな問題に対しては、知的財産分野の豊富な経験を核としつつ、クライアントとともに考え、最適解を提供することを目指しております。

また、小林・弓削田法律事務所では、国内外における契約交渉から紛争案件対応まで、エンターテインメント分野のクライアントにリーガルサービスを提供しています。

特許事務所様向けサービス

弁理士実務を理解した上で特許事務所の運営をサポート

弁理士出身の弁護士の先駆けである小林幸夫弁護士が設立した小林・弓削田法律事務所では、設立以来多くの特許事務所様と紛争案件を共同受任してきました。侵害訴訟、無効審判はもちろん、日本での模倣品対策、警告書の送付、外国企業を代理したライセンス契約交渉、外国企業向けの国内規制調査など、特許事務所様と綿密なコミュニケーションをとりながら多種多様な分野の案件に取り組んでおります。

それだけでなく、多くの特許事務所様のご相談にのり、契約書のチェック、著作権法や不正競争防止法案件など、弁理士の中核業務である出願業務以外の業務についても助言を提供しています。

また、特許事務所といえども一つの企業体であり、その維持・運営をしていくにあたって、様々な紛争に直面します。債権回収や労働問題などはその一例です。小林・弓削田法律事務所では、こうした紛争案件についても、多くの特許事務所様からご相談をいただき、紛争の解決に導いています。

小林・弓削田法律事務所では、特許事務所様から気軽にご相談いただけるよきパートナーとなれるよう、日々案件に取り組んでおります。

独占禁止法

知財と独禁法が交錯する分野への対応

競争の促進を促して経済の発達に貢献する独占禁止法(独禁法)は、同じように産業の発展を目的とするものの、その手段として技術の独占を認める特許法などの知的財産法と交錯する場面があります。ライセンス契約や共同研究契約が、その典型例です。

また、事例は多くありませんが、知的財産権に基づく差止請求に対し、独禁法違反に基づく権利濫用の抗弁を主張する案件なども存在します。

また、独占禁止法24条は、独占禁止法違反行為に対し差止請求をすることを認め、独占禁止法24条に基づく差止請求訴訟が提起された場合、裁判所は、公正取引委員会に通知をしなければならないとされています(独占禁止法79条1項)。中小企業の側から、独禁法を武器に訴訟に打って出て、社会の目を気にする大企業に大きな圧力をかけることも可能なのです。公正取引委員会の年次報告によると、独禁法24条に基づく差止請求訴訟・独禁法25条に基づく損害賠償請求訴訟の件数は、過去10年間でも40件程度にすぎません。このような中、小林・弓削田法律事務所では、直近10年間で3件の独禁法24条に基づく差止請求訴訟を取り扱っています。

公正取引委員会は、令和元年6月に「製造業者のノウハウ・知的財産権を対象とした優越的地位の濫用行為等に関する実態調査報告書」を発表しており、中小企業が、大企業から自社の知財を守るため、奪われた利益を取り返すために、独禁法を武器とする案件は増加すると見込まれます。

以上のとおり、小林・弓削田法律事務所は、多くの知的財産案件を扱う中で、知財と独禁法の交錯する分野での経験を積んでおり、知財に関し、独禁法という別の切り口から、経験に基づいた的確な助言をすることができます。